りななんStory
仮契約のシンデレラー ツンデレビームを浴びせたれっ! だーかーらー 伝えたーいこーとがあるー 絶対わからないよー 私たちのこーとなーんてー 連れてってもらうんじゃなく 連れていくからさっ おれと莉奈はそれから畳みかけるようにアイアヤカの曲をシング…
そうして夏になり、中間に続いて期末でもシゲとタリくんは学年2,3位をキープし、夏休みを迎え、かっさんとおっちゃん先導の下おれらはみんなでキャンプに出向き、夜中に目が覚めて一人手が届きそうな満天の星空を見て泣きそうになってると莉奈も起きてきて、
「はじめまして、拓也くんと重伸くんと同じクラスで仲良くしてもらっている松野莉奈です。今日はお越しくださって、ありがとうございます!」 はにかみながらも、にこやかにハキハキと物怖じせず二人の目を見て挨拶すると、綺麗な姿勢を保ったまま頭を下げた…
「たくちゃーん、準備はいーい?もうそろそろ出るわよー!」 「へーい。わかってるよー!」 とうとう松野家パーティ当日。おっちゃんとシゲと連れ立って行くことになってる。この前はカジュアルだったけど、今日はよりキメなくては!とデカい鏡の前で鋭意ヘ…
「…く、たくたくっ!」 幻聴?と思った誰かの声、いや肩を揺すられて、おれはハッと顔を上げる。 「莉奈…」 いつの間にか前にしゃがみ込んでおれの顔を覗き込んでいた。
「きゃああああ、ヤマタっきゅん、来てくれたのねぇー!!」 「し、しのちゃん、そのきゅんってどうにかなんねえの?」 シドとぽーと一緒にハンドメイド部に赴くと、もう踊り出しそうな勢いでしのちゃんに熱烈歓迎された。シドもぽーもお腹を抱えて笑ってい…
それからぱったりとシゲハンターだったB組女子たちはこなくなった。でも、たまに付き添いだった女子がチラチラっと覗いてくる。必ずと言っていいほどおれは目が合った。 まあ、いいやってスルーしてる。それどこじゃないし。
それからしばらくのお昼休みののち、おれらはそのまま公園で今度はタリくんが持ってきてくれた百均のバドミントンセットで適当ゲームをやって盛り上がり、最後は駅前のファミレスに移動してお茶して、夕方に解散となった。
「えっ!?ひっひなた、彼氏いんのっ!??」 口にいれかけたホットドッグを握ってタリくんが飛びのいて驚いた声を上げた。 「何よっそんな驚くこと!?あたしにいちゃ悪いわけっ?」
「シゲ、小学校の頃からモテてた」 「だろうなー。男から見ててもかっこいいもんな」 「さっきのあれ、絶対告られてるよね」 「うんうん!すっごい漫画みたいだったね~」 「シゲ、つき合うの、かな?」
「もーさっきのりななんにゃ参ったよー」 「あはは、ごめんごめん!」 「必死で走ってるうちにわかんなくなっちゃうよね~」 「そうそう!途中まではあっちがゴール!って思ってるんだけど、いざボールパスされるとパーンって飛んじゃうの」 授業が終わり着…
西部劇調のメロディーを奏でる口笛。かつかつと床を華麗に蹴り上げるピンヒール、のつもりだろうか上履きキュッキュで教卓までくるとターンして上半身を捩じる。 「だっ、だいもーんくーん!(小声)あれ?次なんだっけ?」 「(小声)学会の論文」 「がっ、…
「ジャイアントコーン!あんたさすがだねっそんだけ食べるんだ」 「え?違う違うよ!みんなの分だよ」 「みんなってどこよ?それよりあんた肉冷めちゃうじゃん!!肉はあったかいうちに食らうべし!肉に失礼だよっ!!」
「シゲ、すごいね、この入り口と同じくらいある…」 「だはははっ、すっげ!シゲ、遅刻できねーじゃん!」 タリくんとシドがシゲを囲んで入り口を見上げてる。おれに突如浴びせられた強烈な白光、ざわめきなんて知らない3人は無邪気に中へと入っていく。 「ヤ…
目を閉じて、深く息を吸って、吐き出しながら目を開けると、おれはマイクスタンドを握り締めた。 四方を囲む面々。ベースのたから、ギターのシゲ、ドラムスのまさやんを見やると、あきらは片手を上げて「ヘイ!」と笑い、シゲはこどもの頃から変わらずに静か…